新型コロナウイルスの感染拡大で衛生委員会を延期したりテレビ会議で開催できる?
衛生委員会は、一定以上の労働者を使用する事業場に対して労働安全衛生法により設置が義務付けられているもので、新型コロナウイルスの拡大防止により衛生委員会には積極的な対応が求められています。
衛生委員会が調査審議し、事業者に対し意見を述べるものとされている事項は次のとおりです。
- 労働者の健康障害を防止するための基本となるべき対策に関すること
- 労働者の健康の保持増進を図るための基本となるべき対策に関すること
- 労働災害の原因および再発防止策で、衛生に係るものに関すること
- 前記1~3のほか、労働者の健康障害の防止および健康の保持増進に関する重要事項(衛生に関する規定の作成など)
衛生委員会の開催方式
衛生委員会の開催方式について法律や法令などで明確な定めはありませんが、情報通信機器を用いた方法が可能とした通達等はなく、対面で行うことが想定されていると考えられます。
また、労働安全衛生規則によると、衛生委員会は毎月1回以上開催するようにしなければならないとされています。
ところが、感染防止のため社内の会議を中止したりリモートで開催するなどの対策を行っているなか、衛生委員会を開催するために委員が集まり、それにより感染が拡大してしまっては、まさに本末転倒といえます。
新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)では、衛生委員会を開催する際にはいわゆる『三つの密』を避け、十分な感染防止対策を講じた上で開催するものとされています。
この「Q&A」では以前まで時限措置として「テレビ電話による会議方式にすること」が認められていましたが、現在はその記述が削除されていることからすると、原則どおり対面で実施することが想定されていると考えられます。
この記事は、公開時点での情報に基づいて執筆されています。
新型コロナウイルスに関する最新の情報は、厚生労働省ホームページ、首相官邸ホームページ等をご覧ください。