IT業が注意すべき秘密保持契約(NDA)【秘密保持契約書雛形あり】

IT業が注意すべき秘密保持契約(NDA)

はじめに

個人情報保護

秘密保持に関する合意については、取引先と締結する場合や従業員と締結する場合、独立の契約書、誓約書として作成する場合(秘密保持契約:NDA(Non-Disclose Agreement))や契約書の条項として規定する場合等様々です。

秘密保持契約書(条項)は、インターネット上のサンプルをそのまま使用していることもあるかと思います。

しかし、秘密保持契約は、秘密を受け取る側か秘密を開示する側かという視点が重要であり、サンプルがどちらの視点で作成されたのか不明な場合も多くあり安易な理容には注意が必要です。

また、IT業界においては、秘密情報、ノウハウの流出が比較的容易な環境にあり、それによる損害が多額に発生する可能性が高い業種であるため、秘密保持契約は特に重要な業種であるといえます。

本年3月にIPAから発表された「企業における営業秘密管理に関する実態調査」の結果では、社会動向の変化により漏えいリスクの高まりを感じるものとして、「スマホ・タブレット機器等の急速な普及」「データ利活用機会の増加」「クラウドの利用機会の増加」などが上げられており、企業秘密の管理の重要性は増すばかりです。

ここでは、IT業が特に注意すべき秘密保持契約の留意点について簡単にまとめています。

ソフトフェア開発委託契約

IT業の典型的な契約としては、ソフトウェア開発委託契約があります。

ソフトウェア開発委託契約では、ベンダとユーザの二者間の単純な契約から、発注者がユーザである場合、発注者の顧客がソフトウェアのユーザである場合、パッケージベンダとの代理店契約、下請けベンダとのSES(システム・エンジニアリング・サービス)契約が絡む場合など類型は様々です。

また、ウォーターフォール型の開発手法によると、要件定義、外部設計、詳細設計等で個別契約を結ぶ場合などもありますが(小規模ではない場合等)、秘密保持条項をそれぞれ規定するか、基本合意書に添付する形で誓約書を差し入れたりすることが一般的です。

秘密情報の範囲-開示側か、受領側か-

悩み

当然ですが最も重要なのは、秘密情報を何にするかということです。

情報を開示する側としては、秘密にする情報はできる限り広いほうがよいですが、情報を受領する側としては、どの情報が秘密情報かを判断できるよう特定されていることが望ましいと考えるでしょう。

特定する方法として考えられるものは、

  • 書面や口頭で秘密である旨の指示がなされたもの
  • パスワードによりロックがかかっているもの
  • 等が考えられます。

    さらに限定するとすれば、「不正競争防止法2条6項に定める営業秘密に該当する情報」に限定するという限定も考えられるところです。※不正競争防止法上の営業秘密は、①有用性②非公知性③秘密管理性の3つの要件を満たす必要があり、かなり限定されたものになります。

    ソフトウェア開発委託契約等においては、契約上双方に秘密保持義務が課されることが一般的ですが、ベンダとして発注者の業務内容等について秘密保持義務を負う場面も多いと思います。

    その場合には、情報を受領する側として注意する必要があります。

    損害賠償-秘密保持違反による賠償の算定は難しい?-

    電卓

    秘密保持契約書では、当然保持義務違反をした当事者に対して、損害賠償責任の規定が定められます。

    単に、情報提供側としては「損害を賠償する」という規程だけでは契約に定める意味はあまりありません。

    規程がなくとも、損害賠償請求自体はできるためです。

    「起因または関連する損害」「(弁護士費用も含む)」等の規定を入れる等できる限り特定することが考えられます。

    しかし、そもそも秘密保持義務違反による損害賠償は算定が困難であることが多く、賠償額の予定を定めることもあります(「秘密保持義務に違反した場合○○万円を支払う」等)。

    もっとも、賠償額の予定(違約金)の規程は、仮に予定額を超えた損害が発生したとしても、超えた部分の請求することはできないと解されているため、予定額の決定には注意が必要です。

    また、予定額をあまりに高額に設定した場合には暴利行為として無効(民法90条)とされる可能性があることも注意が必要です。

    予定額としては、当該情報により得られることが予想される利益等を一つの基準とすることが考えられます。

    開発委託契約においてSES契約等を結ぶ場合等においては、下請ベンダがその情報を漏えいしてしまうリスクも考えなければいけません。

    ベンダとしても、下請ベンダに対し、発注者に対する責任と同等の責任を負うと定めるのが一般的です。

    有効期間-自動更新も-

    有効期間については、開示側としては、その情報の利用価値が消滅する期間を設定したいことになると思います。

    そして、当然受領側としては秘密情報で管理できる期間として妥当な期間の設定を希望することになり、その調整が必要です。

    また、有効期間を限定した上で自動更新条項により都度延長するという方法も一つです。

    最後に-困ったら相談を-

    弁護士壹岐晋大

    一度、秘密保持についてしっかりとしたルール(契約書、契約条項)を作成しておくこと、秘密保持契約におけるリスクを理解しておくことが重要です。

    秘密保持に関する条項案についての書式を載せています(比較的、秘密情報受領側の観点で作成したものです)。

    秘密保持契約に関する契約書の作成、チェックについて、お困りの方やご相談されたい方はご連絡下さい。

    秘密保持に関する条項案についての書式の雛形

    秘密保持に関する条項案についての書式サンプル(Word)
    秘密保持に関する条項案についての書式サンプル(Pdf)
    ※あくまでサンプルですので、秘密保持契約に関する契約書の作成やチェックについては、ご相談下さい。

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