弁護士が教える、運送業が注意すべき雇用契約

弁護士が教える運送業が注意すべき雇用契約

雇用契約書を作らなくて大丈夫ですか?

運送業

トラック運転手を雇うとき、契約書を作らないままでいると、後々のトラブルにつながる危険性があります。

例えば、従業員が期待していた待遇と実際の待遇に差があった場合に、「約束が違う。本来の給料を払え!」などと言われてしまうリスクがあります。

さらに、契約書を作らないでいると、労働条件の明示がないとして、違法行為として30万円以下の罰金が科される危険性もあります。

従業員を雇うとき、会社は、労働条件を明示しなければなりません。

そして、少なくとも以下の事項については、書面での明示が必要です。

  1. 契約の期間
  2. 就業場所
  3. 業務内容
  4. 始業・就業の時刻、休憩時間
  5. 休日
  6. 賃金の決定の仕方、計算方法、支払い方法
  7. 退職に関すること(解雇を含む)
  8. 契約更新の有無、更新の基準

これらを明示するための書面は、必ずしも契約書である必要はありません。

しかし、従業員の署名・押印がされた契約書にしておくことで、後々、従業員から労働条件の内容を争われるリスクを少なくすることができます。

パート社員に正社員用の契約書を流用していて大丈夫ですか?

運送業

トラック運転手以外にも、パートの事務員を雇うこともあるでしょう。

その際、上記①~⑧の労働条件しか書かれていない契約書で契約してしまうと、違法行為として10万円以下の過料の支払いが命じられる危険性があります。

といいますのも、パート・アルバイト・契約社員を雇う場合に明示すべき労働条件が、正社員に明示すべき労働条件より多く、正社員用の雇用契約書では不十分な場合があるからです。

具体的には、上記①~⑧に加えて

  1. 昇給の有無
  2. 退職手当の有無
  3. 賞与の有無
  4. 相談窓口

についても書面により明示する必要があります。

拘束時間を意識しないと労基署の立入検査が入るかもしれません

警告

労働基準法で決められた労働時間は、週40時間、1日8時間ですが、労基署に36協定(サブロク協定)を届け出ることで、この規制を排除できます。

ただし、無制限に残業させられるわけではなく、改善基準告示という、運送業界独自のルールを守る必要があります。

改善基準告示に違反すると、労基署の立入検査が入る可能性があるので注意が必要です。

改善基準告示には色々なルールが書かれていますが、その中には、以下に述べるような、拘束時間と休息期間に関するものがあります。

  1. 1日の拘束時間は、基本的に13時間まで
  2. 拘束時間の延長は、最大16時間まで
  3. 1日の中で継続8時間を休息期間としなければならない
  4. 15時間を越えて拘束時間を延長できる回数は、1週間の中で2回まで

拘束時間は、始業時刻から終業時刻までの時間です。

つまり、トラックの運転や荷捌きをする時間だけでなく、荷待ちの時間、休憩時間、仮眠時間なども含まれます

では、拘束時間・休息期間に関するルールを守るには具体的にどうすればよいか?

まず、雇用契約書では、始業時刻から終業時刻までの時間を13時間以内にする必要があります(①のルール)。

そして、13時間を越えて働かせなければならない場合でも、以下の点に注意して配車する必要があります。

  • 始業時刻から最大で16時間以内に終業させる(②のルール)
  • 終業時刻から翌日の始業時刻まで、少なくとも8時間以上空ける(③のルール)
  • 拘束時間が15時間を超えるルートは交代制にして、特定の運転手の拘束時間が1週間に3回以上15時間を超えることがないようにする(④のルール)
  • 最後に

    弁護士向井・弁護士澤戸

    雇用契約書は、会社と従業員との間におけるルールを決めるものです。

    せっかく作った契約書でも、労働法のルールに違反すれば、無効とされてしまいます。

    他方で、労働法のルールを守ることで、従業員からの不当な要求をはねのける、強力な盾にもなりえます。

    雇用契約書の作成や修正についてお困りのこと、相談されたいことがございましたら、ぜひ弁護士にご連絡ください。

    運送業における雇用契約書雛形

    雇用契約書(正社員)の雛形(Word)
    雇用契約書(正社員)の雛形(PDF)
    雇用契約書(パート)の雛形(Word)
    雇用契約書(パート)の雛形(PDF)
    ※あくまでサンプルですので、実際の雇用契約書の作成については弁護士にご相談下さい。

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