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皆様の会社では、給与計算、勤怠時間の管理、雇用契約書の締結などの労務関連の事務手続をどのように行っていますでしょうか。

社長が自ら行っている会社、総務の担当者が行っている会社、社外の社労士に一任している会社など様々かと思います。

近年、このような人事労務の手続においてITツールを活用する動きが急速に進んでいます。

このようなツールを「HRテック(エイチアール・テック)」と呼びます。

IT企業などではすでに導入しているケースが多いかと思いますが、今後は他の業種でもHRテックが広まると考えられています

HRテックとは

人事労務管理の負担を大幅に削減

HRテックとは「ヒューマン・リソース・テクノロジー(Human Resources Technology)」の略で、人事労務管理を効率化することを目的としたITツール全般を指す言葉です。

昨今、「リーガルテック(法務+テクノロジー)」、「フィンテック(金融+テクノロジー)」といった言葉が広まり、インターネットや人工知能(AI)を活用して既存の業務の合理化を目指すサービスが続々と登場していますが、HRテックもそのような流れの中に位置づけることができます。

たとえば、かつてはタイムカードや従業員の自己申告で労働時間を管理する会社がほとんどでした。

タイムカード上の情報を表計算ソフトに打ち込んで従業員別の労働時間を集計し、残業代の計算や長時間労働による健康リスクの把握まで行うのは容易なことではありませんし、紙のタイムカードには紛失や改ざんのリスクもあります。

そこで最近は、交通系ICカードや指紋認証で打刻を行ったり、スマートフォンの位置情報を元に勤務状況を把握できるHRテックのサービスが登場しています。

これらの情報を給与計算ツール(これもHRテックの一種です)と連携させることにより、ほとんど自動で従業員別の給与を計算することもできます。

このようにHRテックは勤怠管理を大幅に効率化し、担当者の負担を削減する可能性を持っています。

拡大するHRテック

人事労務の手続の中でも勤怠管理、給与や通勤交通費の計算、給与の振り込みといったルーティン的な業務はもともとITツールとの親和性が高く、すでに半自動化が当たり前になりつつあります。

さらに、最近では人事評価、目標管理、人事制度の構築といった非定型的な業務までカバーするサービスも登場しています。

今後はHRテックを最大限に活用して人事労務管理の効率化を実現する企業と、人事労務管理に人件費と時間をかけ続ける企業との格差はますます広がることでしょう。

HRテックの時代に中小企業に求められること

弁護士壹岐晋大・荻野哲也

もちろん、HRテックは人事労務管理の問題を全て解消してくれる魔法のツールではありません

たとえば、最近広く普及しているクラウド上の勤怠管理システムには、ワンクリックで手軽に打刻でき、その情報が集約されるというメリットはあります。

しかし、従業員が自ら出退勤の時刻を記録するという意味では紙のタイムカードと何ら変わりがありません。

ですので、従業員が残業代を稼ぐために定時後にネットサーフィンをしてから打刻することは防げません。

また、HRテックを導入し、活用するためには初期費用やランニングコストがかかりますし、ツールを使いこなす能力を持つ社内の担当者は必要となります。

高い費用をかけてHRテックを導入しても、使いこなすことができなければ宝の持ち腐れとなってしまいます。

自社が抱えている課題を把握し、それを解決してくれるツールを適切に見極めること、そして、それらのツールを扱うことができる人材を育てることが求められるでしょう。

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