覚書や念書を作成するときのポイントを弁護士が解説

契約書との違いは?覚書や念書のポイントを弁護士が解説

はじめに

覚書・念書

ビジネスの現場で取り交わされる文書としてすぐに思い浮かぶのは契約書ですが、そのほかに、「覚書(おぼえがき)」「念書」といった文書が利用されることがあります。

覚書や念書は契約書とどこが異なり、どのような法的効果があるものなのでしょうか。

この記事では、覚書、念書と契約書との違いと、覚書や念書を作成するときの注意点について説明します。

覚書とは

「覚書」は契約書の補助的な書類で、契約書を作成する前段階で当事者の合意事項を書面として残すときや、すでに締結した契約書の内容を補足したり、変更したいときに作成されます。

「覚書」というと「〇〇契約書」というよりも柔らかい響きがあるので、「覚書は契約書よりも法的な効力が弱いものだ」あるいは「確認のためにやりとりするもので、法的な拘束力はない」と思っている方がいるかもしれません。

しかし、文書の表題が「〇〇契約書」となっているか「覚書」となっているかは法的効力とは関係がありません。

覚書に当事者間の合意事項が書面化され、当事者の署名捺印がされていれば、当事者に権利義務を生じさせるため、契約書と同様の機能を持ちます。

したがって、当事者間でトラブルが生じたときには、当事者が合意した事項を証明する文書として契約書と同様の効力を有することになります。

契約書と覚書の違い

覚書の例

では、覚書という表題の文書はどのような場合に利用されるのでしょうか。

覚書という表題の文書が利用される一例として、契約内容を事後的に変更するケースがあります。

この場合、次のような文書が作成されます。

覚書

株式会社Aと株式会社Bとは、平成28年4月1日付で締結した建物賃貸借契約書(以下「原契約」という。)の一部について次のとおり覚書を交換する。

改訂事項

第1条 原契約第2条の賃料を、平成30年4月1日より、1か月あたり400,000円とする。

第2条 前条以外の事項については、原契約のとおりとする。

覚書が利用される理由

では、このような場合に契約書を一から作り直すのではなく、覚書が利用されるのはなぜでしょうか。

もし元の契約を破棄して改めて契約書を作りなおしたら、当事者は、契約書全体の内容を改めて確認しなければいけないことになります。

なぜなら、相手方から「この条項だけ変更しましたよ」と言われて契約書を提示されたとしても、署名捺印すれば契約書全体の内容について法的拘束力が生じるからです。

後になってほかの条項が変更されていたことに気が付いたとしても、双方の当事者が署名押印した文書がある以上、「話が違う」という言い訳は通用しません。

そこで、元の契約は維持しつつ、変更事項が一目でわかる覚書が利用されるのです。

また、「契約書」という形式をとると堅苦しく感じられるような場合には、あえて、語感が柔らかい「覚書」という表題が用いられる場合があります。

覚書を作成するときの注意点

繰り返しになりますが、「覚書」という形式をとっていようと、当事者の合意事項を記載した文書であれば契約書と同様であり、法的な効力を持ちます。

したがって、覚書を作成するときも、契約書を作成するときと同様に、自社にとって不利な内容になっていないか、法律の規定に違反していないか、解釈に疑義が生じるような文言を使用していないか、などを慎重に吟味する必要があります。

また、契約内容の変更に覚書を利用する場合には、なぜ契約内容を変更する必要があるのか、従前の契約のどの部分が変更され、どの部分が維持されるのかなど、よく注意して検討する必要があります。

念書とは

「念書」とは、当事者の一方が他方に対して、約束の内容を記載して差し入れる文書をいいます。

たとえば、未払いの売掛金があるときに、時効を中断させるために債務を承認する内容の念書を債務者に書いてもらうことがあります。

あるいは、無断欠勤や遅刻を繰り返す従業員に「特段の理由もなく上司への連絡を怠り、欠勤、遅刻、早退などしないことをここに誓約いたします」といった内容の念書を書いてもらうことで、従業員に心理的なプレッシャーをかけることができます。

契約書と念書の違い

念書は覚書のように双方の当事者の合意事項を明らかにした文書ではなく、一方的に差し入れられるものですので、双方の当事者に権利義務関係を生じさせるものではありません。

もっとも、当事者間でトラブルが生じて裁判になったときには、念書が証拠として採用され、それに基づいて事実認定がなされる場合があります。

また、「念書」という表題であっても、当事者間の合意事項が記載されており、双方の署名押印がされていれば、契約書として機能します。

念書を作成するときの注意点

念書は、相手方に何らかの約束をさせたい場合にしばしば利用されます。

その際、念書への署名押印を相手方に強要せず、あくまで自由な意思に基づいて署名押印してもらうように注意しましょう。

相手を脅して書かせた念書を書かせたような場合には、念書が無効となるばかりか、刑法の脅迫罪や強要罪などに該当する可能性もあります。

債務承認の念書に署名押印してもらう場合には、どの契約に基づいて生じた契約なのか、債務の額がいくらなのかを明記し、署名押印した日付を忘れずに記入してもらうようにしましょう。

覚書や念書に印紙は必要?

契約書を作成したとき、以下の3つの条件を満たすときには、印紙税がかかり、印紙を貼り付けなければいけません。

  • 印紙税法に定められた20種類の文書により証明されるべき事項(課税事項)が記載されていること
  • 当事者間で課税事項を証明する目的で作成された文書であること
  • 印紙税法に定められた非課税文書でないこと

では、覚書や念書に印紙は必要なのでしょうか

「覚書」や「念書」という表題を用いて元の契約書の重要な事項を変更する場合、その文書は課税文書となり、印紙が必要となります。

たとえば、請負契約において、請負契約書の代金の支払い方法を変更するような場合です。

「重要な事項」は、印紙税法基本通達別表第2の「重要な事項の一覧表」において、文書の種類ごとに例示されています。

弁護士にご相談ください

弁護士向井・澤戸

このように、覚書や念書という表題の文書であっても、契約書と同様に双方の当事者に権利義務を発生させたり、トラブルが生じたときの証拠として用いられることがあります。

いざというときに思わぬ不利益を受けないためには、契約書と同様に法律的な観点からのチェックが必要です。

たくみ法律事務所では、契約書のみならず、覚書や念書を含めた文書の作成代行やチェックを行っております。

企業からのご相談の相談料は無料ですので、どうぞお気軽にご相談ください。

たくみ法律事務所の契約書の相談・解決実績(一部)

Case.01 業務委託契約を締結するときの注意点について知りたい
Case.02 派遣法改正に伴うクライアントとの業務委託契約について相談したい
Case.03 契約書の内容が原因でトラブルが発生したので内容を見直したい
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