建築請負契約における請負代金の支払い時期について解説

建築請負契約における請負代金の支払い時期

契約

建築請負契約は取引額が高額になりがちなこともあり、請負代金の未払いによるトラブルが発生しがちです。

請負代金の未払いが発生したときは、内容証明郵便を送付して任意の支払いを促したり、裁判を提起したうえで財産を差し押さえて強制的に回収する方法が考えられます。

しかし、請負代金が未払いであるというためには請負代金の支払い時期がすでに到来していることが前提となります。

そのため、「そもそも支払い時期がいつなのか」ということが問題となります。

このページでは、建築請負契約における請負代金の支払い時期について解説いたします。

支払い時期は自由に決めることができるのが原則

前提として、代金や報酬の支払い時期は、契約当事者が自由に決めることができるのが原則です。

請負契約における代金支払い時期について定めた民法の規定には「報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない。」とされており、報酬の支払いは目的物の引渡と「同時履行」の関係に立つと規定されています。

しかし、このルールは「任意規定」と呼ばれ、契約の当事者がこの規定と異なる内容の契約を締結すれば、契約書の定めが優先適用されます。

建設業法による規制

契約当事者が「特定建設業者」に当たる場合

建設業法では、「特定建設業者」が資本金4,000万円未満の下請人に対して工事を下請けし、下請人に対する報酬支払期限を定めるにあたっては、下請人が引渡の申出を行った日から起算して50日以内の日としなければならないものとされています。

建築請負契約の発注者が特定建設業者に当たる場合にはこの規定が適用されます。

特定建設業者とは、発注者から直接請け負う1件の建設工事につき、その工事の全部または一部を4000万円(建築工事業の場合は6000万円)以上の金額で下請けに出す者をいいます。

国土交通大臣または都道府県知事による特定建設業の許可を得なければ、上記のような金額で下請けに出すことができません。

特定建設業者には下請け人保護の観点から請負代金の支払い時期について特別の義務が課せられているのです。

契約当事者が「特定建設業者」に当たらない場合

特定建設業者に当たらない一般建設業者に関しては、上記のような規制がなく、支払い時期は当事者間の取決めに委ねられています。

国土交通省のガイドラインによれば、「請負契約に基づく工事目的物が完成し、引渡し終了後、発注者が受注者に対し、速やかに請負代金を支払わない」ことは望ましくなく、「少なくとも引渡し終了後できるだけ速やかに適正な支払を行うように定めることが求められる」とされています。

このように、ガイドラインでもできるだけ早い時期の支払いが「求められる」とされているだけで、具体的な時期がルール化されていません

したがって、やはり当事者による取決めが優先されることになります。

基本契約書と個別契約書

弁護士向井・澤戸

当事者間の合意内容は契約書の内容から判断されますが、工事請負契約においては、基本契約書と別に取引ごとに個別契約書が作成される場合があります。

基本契約書と個別契約書に書かれている支払時期が異なる場合、どちらの日付を信じればよいのでしょうか?

このようなケースでは、多くの場合、個別契約書の規定が優先されることになります。

それは、個別契約書に基本契約書に優先する旨の記載があったり、基本契約書と異なる規定をわざわざ設けたという経緯があったりするためです。

ただし、必ず個別契約書が優先するとは限らず、ケースバイケースで判断されます

基本契約書と個別契約書の優先関係が不明確だとトラブルになることも多いため、優劣についてはメールなどの証拠に残る形で明らかにしておくことが好ましいでしょう。

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