この記事は、公開時点での情報に基づいて執筆されています。

新型コロナウイルスに関する最新の情報は、厚生労働省ホームページ首相官邸ホームページ等をご覧ください。

業務に起因して何らかの疾病を発症したときには労災保険給付の対象となります。

新型コロナウイルスも例外ではありません。

報道によれば、「新型コロナウイルスへの感染が労災に当たる」という申請は5月14日までに39件あり、そのうち2件が労災認定されています。そのうち1件は医療従事者とされています。

業務に起因して感染した?

感染が拡大している新型コロナウイルスで問題となりやすいのが、「業務起因性」です。

家族やプライベートにおける交友など、業務とは関係のない場面で感染に至ったときには、労災保険給付の対象とはならないためです。

どのような場合に業務起因性が認められるかについては、厚生労働省は、「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」において労働者の属性ごとに一定の基準を示しています(同Q&Aは厚労省のホームページ上で随時更新が行われており、当記事は5月14日時点の内容を元にしています。)

医療従事者・介護従事者

医師・看護師などの医療従事者や介護従事者が新型コロナウイルスに感染した場合には、原則として業務起因性が認められ、労災保険給付の対象となります

ただし、業務外で感染したことが明らかである場合は除かれます。

医療従事者・介護従事者以外

一般の労働者の場合、労働基準監督署が個別の事案ごとに業務との関連性について調査を行い、業務起因性が認められる場合は労災保険給付の対象となります。

医療従事者や介護従事者の場合と異なり、調査を行っても感染経路が判明しなかった場合には、「業務起因性はない」とされるのが原則です。

しかし、感染リスクが高いと考えられる次のような業務に従事していた場合には、感染経路が判明しない場合であっても「業務起因性あり」とされることがあります。

①複数の感染者が確認された労働環境下での業務

同一の事業内で2人以上の感染が確認された場合です。

従業員同士だけでなく、従業員と利用者が感染したような場合もこれに当たります。

ただし、お互いに近接や接触の機会がなく、業務での関係もないような場合は、これに当たりません。

②顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務

スーパーなど小売業の販売業務や、バス・タクシー等の運送業務、育児サービス業務などがこれに該当します。

最後に

今や新型コロナウイルスは、誰が、いつ、どこで感染するかわからないものとなりました。

労災請求の手続は請求人である労働者が行うのが原則ですが、請求人がみずから保険給付の請求等の手続を行うことが困難である場合には、事業主が助力をしなければならないとされています。

労災を故意で隠蔽すれば「労災隠し」と呼ばれる違法行為に該当します。

いざというときに適切な対応をとれるように準備しておきましょう。

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