新元号が「令和」に決定!「平成」表記の契約書はどうなる?

時効

2019年の4月30日に天皇陛下が退位して30年間続いた「平成」が終わり、5月1日から新たな元号「令和(れいわ)」に改められました。

そこで気になるのが、契約書実務における対応です。

継続的な取引における契約書などでは、「平成32年」というように2020年以降の年月日の記載で「平成」を用いているものは多くあります。

そのような契約書は、今回の改元に際して一つ一つ修正する必要があるでしょうか

修正の必要は「ない」

結論を先に申し上げると、わざわざ契約書の表記を修正する必要はありません。

たとえば、契約書内に「契約期間を平成31年1月1日から平成31年12月31日までとする」と記載があったとします。

それに対して、「平成31年12月31日が訪れることはないのだから、これは期間の定めのない契約である」などといった主張は、到底不合理で認められるものではないでしょう。

元号が改められたときの扱いについて明記されている法律があるわけではありませんが、上記の場合は契約期間を1年とする旨の合意があったと解釈され、「契約期間を平成31年1月1日から令和元年12月31日までとする」と読み替えられることになります。

契約書の表記は和暦と西暦、どちらがベター?

一般的に、契約書では西暦ではなく和暦が使用されます。

もっとも、契約書に和暦を用いなければならないというルールがあるわけではありません。

政府が各省庁で運用する行政システムの日付データについては、和暦を使わず西暦に一本化する方針が発表されました。

今回の新元号への切り替えで公文書の西暦表記を義務付けることは見送られましたが、今後、公的な文書で徐々に西暦の使用が増える可能性はあります

不要な争いは避けたい場合には、契約書でも西暦で記載するのが無難でしょう。

私自身、最近はよく西暦表記を用いて契約書を作成しています。

必要な対応の洗い出しを

弁護士荻野

「平成」から「令和」への切り替えによりシステムの改修等の対応が必要な業種は多いと思われます。

元号が変更されていないことだけで責任を追求されるようなケースは限定的かと思われますが、どのような対応が必要か早期に洗い出し作業を行い、準備を進める必要があるでしょう

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