2019年4月、労働安全衛生法や関連省令が改正され、現在は一般労働者についてのみ課されている企業の労働時間把握義務が管理者にまで拡大されます。
労働時間把握義務は法律で明確に定められているものではありませんが、労働基準法では労働時間、休日、深夜業などについて規定があることから、使用者は労働者の労働時間を適正に管理する責務があると解されています。
具体的には、タイムカードやパソコンなどを使い、労働日ごとに始業時刻や終業時刻を記録し、これを3年分保存しなければいけません。
これまで、対象となる労働者は「管理・監督者とみなし労働時間制が適用される労働者を除くすべての労働者」とされていました。
管理職は経営者と一体的な立場にあると理解されていたためです。
勤怠管理体制の見直しを
しかし、2008年頃に飲食店や小売店などで「名ばかり管理職」が問題となったように、 管理職であっても働き方の実態は一般労働者と変わらない例は以前から指摘されています。
さらに、安倍政権が政策として長時間労働の是正を推し進めていることもあり、今回、労働時間把握義務を一般労働者から管理職にも広げる判断がなされたと考えられます。
管理職の労働時間を把握していない企業は、来年の4月に向けて勤怠管理の体制を見直しておく必要があるでしょう。