ご依頼者様の情報
業種
美容室の経営企業所在地
福岡県ご相談内容
事業所内で雇っていた美容師が、心疾患で亡くなりました
その後、労基署より、労災の可能性ありとして、会社に書類等の提出命令を受けました。
会社としては、心疾患は業務のせいではないと考えており、労基署に適切に主張したいと考えています。
どのように対応したらよいでしょうか。
弊所での対応内容・解決結果
相談を受け、まずは、亡くなった労働者の就労実態の把握に務めました。
調査の結果、以下の事実がわかりました。
- 出勤簿上、確かに、当該労働者の労働時間(始業から終業までの時間)は長時間にわたる日も少なくなかった。また、美容師という業務の性質上、立ちっぱなしで作業する時間帯もあった。
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他方、施術の予約がない時間は休憩室等で座って休むこともできた。
施術が必要な時間とそれ以外(座って休憩できる時間)を大まかに算出すると、休んでいた時間のほうが長い日も少なくなかった。すなわち、見かけ上の労働時間は長いものの、労働の「強度」や「密度」はそこまで高くなく、むしろ、自由に過ごせる時間のほうが多かった。
以上の調査結果を踏まえ、弁護士にて労基署への意見書を作成し、業務起因性が否定されるべきであることを主張しました。
その結果、会社が被害者(遺族)から損害賠償請求を受けることはなく、また、労基署から、就業実態の改善等についての行政指導を受けることもありませんでした。(なお、労基署から被害者に労災保険金が支払われたかどうかについては、会社に通知されないため不明です。)
弁護士の活動によって、労基署からの行政指導や従業員(の遺族)からの損害賠償請求を防ぐことができました。
弁護士の所見
従業員が心疾患等の非外傷性の疾病で倒れた場合、それが労災と認められるか(ひいては会社が民事上の損害賠償請求義務を負うか)に際しては、疾病と事故の「業務起因性」が大きな問題となります。
長時間労働の有無は、業務起因性の判断において重要なポイントですが、今回のケースのように、「始業から終業までの拘束時間は長かったものの、実際に労働している時間は短く、労働の頻度や強度は低い。」というケースもあります。
その場合には、出勤簿上の労働時間のみならず、労働の内容や就労実態も加味したうえで、業務起因性を判断することが重要です。
とはいえ、労基署が当然にそこまで考慮した調査・検討をしてくれるとは限りませんので、弁護士等の法律の専門家と相談しながら、労基署に適切な資料提供と主張をすることが非常に重要です。
労基署の判断は、労災認定を左右するのみならず、その後の従業員から会社への損害賠償請求においても、少なからず重要な意味を持ちます。
弊所では、労災問題に対して、労基署への対応・労災被害者との交渉・事故の関係者への事情聴取、等について包括的なサポート体制を用意しています。
労災の問題でお困りの企業様は、一度弊所にご相談ください。









