法改正速報―配偶者控除

弁護士

毎年、11月、12月になると、雇っているパート主婦が配偶者控除を受ける(年収を103万円以内に抑える)ため、勤務時間を調整し、社内が人手不足に陥ってしまった・・・そんな経験をされた経営者の方も多いと思います。

そのような経験をされた経営者にとって、今回説明する改正は朗報となるかもしれません。

平成29年度税制改正により、配偶者控除等の見直しが行われ、配偶者控除が改正されました。

当該改正は配偶者控除の対象となる配偶者の年収の上限を103万円から150万円に拡大させるものです。

平成30年分以後の所得税について当該改正が適用されるため、実は、既に、新制度での運用が開始されています。

経営者の皆様は、ご対応できているでしょうか?

以下では、配偶者控除の改正の概要及び注意点について説明します。

そもそも配偶者控除とは

弁護士

配偶者控除とは、納税者に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合、一定金額を所得控除することです。

簡単に言えば、扶養している配偶者(パート主婦)がいる場合に扶養している側(夫)の税金を安くすることができるというものです。

これまで、パート主婦の年収が103万円以下の場合、夫の所得から最大で38万円が控除されており、多くの主婦たちは、この控除を受けるため、パート収入が限度(103万円)を超えないように、意図的に働く時間を抑える傾向にありました。

配偶者控除の改正

しかし、2018年1月以降、パート主婦の年収が150万以下であれば、夫の所得から最大で38万円が控除されることとなりました(なお、夫の年収が1,220万円を超える場合は、配偶者控除の適用はありません)。

したがって、パート主婦はこれまでより多くの時間を働いても、所得控除の優遇措置をうけることができるため、企業からの勤務時間の増加要請に応じる可能性は高くなりそうです。

今回の改正は、企業の人材確保という面で、企業側にメリットがあります。

社会保険には注意

もっとも、パート従業員の勤務時間を増加させる際には、社会保険の負担について注意する必要があります。

中小企業の場合、パート従業員の給料が年130万円を超えると、社会保険に加入させなければならず、企業は保険料の半分を負担する必要があります。

経営者は、パート従業員の社会保険料を支払っても、当該パート従業員の勤務時間を増加させる必要があるのか、慎重な検討をする必要があります。

パート主婦を雇っている企業は、パート主婦を今後どのように雇用するのか。今回の改正を踏まえて、一度検討されることをおすすめいたします。

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弁護士江藤豊史
大分県出身。 専門学校講師、裁判所職員を経て弁護士へ。 法律的・経営的視点から企業に最も有益なサービス・ソリューションを提示できるよう研鑽を積んでおりますので、お気軽にご連絡ください。

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