専門職は扱いづらい?

専門職とは

IT

ある領域で高度な専門的知識を持っている「専門職」。

企業に所属する専門職の人材も増加しています

たとえば、弁護士、税理士、会計士、社会保険労務士などの士業や、専門的知識を有するエンジニアやデザイナー、飲食店のシェフなどが専門職にあたります。

企業としては、企業文化を理解してもらい、外注ではなく内製化したいという意図から専門職を所属させることが多いです。

※「経営者や管理職などもいわば経営管理の専門職だ!」というご意見もあるかもしれませんが、経営者や管理職よりさらに範囲の狭い特定の領域についての専門性を有している方たちをここでは専門職と呼びます。

専門職と組織の軋轢

しかし、一般的に「専門職」と呼ばれる方たちは「経営」を嫌う傾向にあります。

語弊があるかもしれませんが、組織における管理を嫌うケースが多いということです。

「生産性」「業務効率化」「教育プログラム」といった言葉が組織においては飛び交いますが、専門職の方の業務は、必ずしも効率的とはいえない業務や成果が数値に表れない業務が重要である場合も多々あるためです。

経営者やマネージャーからみれば、専門職は扱いにくいと思われることもあるのではないでしょうか

他にも「指示を出しても従わない」「社内でコミュニケーションを図ろうとしても帰属意識が生まれない」といった意見もあったりします。

専門職の性質を理解しましょう

もちろん、専門職の方たちが組織において活躍できないといっているわけではありません(弁護士といういわゆる専門職の立場としては、「そうではない!」と言いたい気持ちもあります)。

組織において活躍されている専門職は数えきれないほどいるでしょうし、皆が皆、非専門職の方とうまくできないわけではありません。

しかし、専門職と良い関係が築けず、「彼(女)は職人だから仕方ない…」と諦めてしまっている経営者や管理職がいるのも事実です。

そのような方は、専門職の方たちがどのような性質を持つものかを理解する必要があります

専門職の特徴その① 専門性

専門性の高さゆえに調整の必要性が生じる

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当たり前ですが、専門性があるのが専門職たる所以です。

専門性のある分野については、その専門職の部署によって処理することができ、これまで様々な部門で確認が必要であった業務が効率化する場面も多いでしょう。

他方で、当然のことながら、専門性のある分野と他の分野との調整が必要になる業務というものもあります。

そのような場合に一気に調整が困難になる場合があります。

その一例は専門家が使う専門用語や隠語です。

たとえば弁護士も、「善意」「悪意」という一般的な用法と異なる専門用語や「差支えです」(※)といった通常用いない表現を用いたりします。

このような専門用語や隠語も、専門職が他の領域と相容れないことがある一因になっているかもしれません。

※「差支えありません。」はよく聞きますが、スケジュールが合わないことを「差支えです」というのは弁護士しか聞いたことありません。

専門外領域における知識の格差

その専門領域では深い知識を有する一方、専門外領域となると一般的な方より知識が浅いというのはよくある話です。

そのような知識の格差も、他分野との調整が困難になる理由の一つです。

専門職の特徴その② 組織へのコミットメント

面談

専門職は、自分のスキルや資格に誇りを持ち、会社に属していることについては誇りを感じない傾向があります。

そして、組織外の専門職集団に対するコミットメントを強く持ち、そこから知的刺激を受け、そこから評価されることに誇りを感じます。

このような性質も相まって、専門職と非専門職との共同作業に支障をきたすのです。

専門職を活用するメリット

弁護士壹岐晋大

ここまで書いて、「なんて専門職は使いづらいんだ…」「専門職を雇用するのは控えよう」と思われるかもしれません。

しかし、専門職のメリットも当然あります。

彼(女)らが持つ高い専門性が社内に還元される場面も多いはずです。

そして、社内の考え方が内向きになりがちなときに、専門職の存在が視野を広げるきっかけとなるケースもあります。

組織というのはどうしても変化を拒む性質がありますが、外部とのつながりを有する専門職の意見が有効となる場面もあるでしょう。

さらには、外部の専門的知見と企業をつなぐ架け橋になることも期待できます。

自社にとって有用な専門職を探すコストは意外と大きいものです。

組織へのコミットメントが低いという問題に対しては、コミットメントの高い外部組織との協力関係を作ったり、専門職が複数いる場合にはリーダーを的確にグリップすることでコントロールできることもあります。

専門職の活用の重要性が増しています

働き方改革による高度プロフェッショナル制度導入やジョブ型雇用導入の検討など、企業にとっては専門家雇用の手法の選択肢が広がりつつあります(高プロはなかなか広まっていませんが…)。

社会の複雑化に伴い、企業にとって専門職の活用が重要となっているように感じます。

弁護士・中小企業診断士 壹岐晋大

1986年山口県生まれ。
企業法務分野に取り組む際には、「経営者と同じ方向を見る」という姿勢を一貫しており、企業の「考え方」を共有し、「目標を達成」することを大切にしている。

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