弁護士野中

誰でもクチコミを投稿でき、クチコミを元にユーザーがサービスを比較できるクチコミサイトが増えています(「ポータルサイト」と呼ばれることもあります。)

病院・クリニックも例外ではなく、「EPARK(イーパーク)」、「Caloo(カルー)」といったクチコミサイトで病院選びをする人が増加しています。

このようなクチコミサイトは病院名や地域名・診療科名で検索したときに上位表示されることも多いです。

そのため、ネガティブなクチコミや病院やスタッフを誹謗中傷する悪質なクチコミを投稿されてお困りの先生も多いのではないでしょうか。

病院・クリニックを選ぶときにクチコミを重視する人は多く、たとえ1件のクチコミでも経営への影響は無視できません。

この記事では、病院・クリニックの経営者様を対象に、クチコミサイトでの誹謗中傷を解決する方法についてご説明いたします。

法的な手段

誹謗中傷被害に遭ったときにまず検討すべきことは、法律的な手段による対処です。

クチコミサイトに悪質な投稿がされたときの法的手段として、

  1. 削除請求
  2. 損害賠償請求
  3. 発信者情報開示請求

があります。

いずれの手続でも、専門家が法律の知見に基づいて説得力のある主張を行うことが問題解決のために不可欠です。

削除請求

サイトの管理者や投稿者本人など投稿を削除する権限を有する者に対し、交渉または裁判手続により削除を求める手続です。

損害賠償請求

誹謗中傷によって営業上の損害や精神的損害が生じたときに、投稿を行った本人に対して損害の補填を求める手続です。

発信者情報開示請求

削除請求や損害賠償請求を行うために投稿者の氏名や住所を特定するための手続です。

誹謗中傷対策には技術的な対応も不可欠

ネットのクチコミ

法的手段によって悪質なクチコミを削除し、問題を解決できることもあります。

しかし病院・クリニックに対するクチコミの削除請求は、その専門性の高さゆえに法的措置だけでは100%の解決が難しいケースも多いのが現実です。

その理由は主に2つあります。

投稿の内容が事実か否かを判断すること自体が難しい

たとえば「飲食店の店員に暴言を吐かれた」というクチコミであれば、目撃者の証言などからそれが事実かどうか判断することは難しいことではないでしょう。

これに対して病院・クリニックのクチコミでは、「○○の症状で診察を受けたのに、何の効果もないAという薬を処方された」というように診療行為の内容に関するコメントがされます。

この場合、サイト管理者や裁判官が削除の可否を判断するためには「○○の症状に薬Aは効果があるのか、ないのか」という医学的な知識が必要となります。

このように病院・クリニックのサービスは事実かどうかの判断が微妙であることが少なくありません

クチコミサイトの性質上、個人的な意見の削除が難しい傾向がある

クチコミサイトは、ユーザーが自身の体験談や感想を自由に投稿し、共有することで成り立っていますので、もし個人的な意見を全て削除してしまうと、サイトそのものが成り立たなくなります

そのため、クチコミサイトの運営者は意見の削除に消極的になりがちです。

このような理由から、病院・クリニックの誹謗中傷対策では、法律的な措置だけでなく逆SEOなどの技術的な措置を併せて行うのが効果的です。

逆SEOとは

逆SEOとは、特定のサイトを目立たせなくするための対策をいいます。

検索エンジンでは、2ページ目以降に表示されるサイトは1ページ目にヒットするサイトと比べて閲覧率が大幅に下がると言われています。

つまりネガティブサイトの順位を2ページ目以降に押し下げることができれば、インターネット上に情報が残っていても、それを実際に目にする人の数を減らすことができます

たとえば「福岡 〇〇クリニック」というキーワードで1ページ目にネガティブな投稿がされたクチコミサイトが表示されてしまうケースを考えてみましょう。

この場合、「福岡 〇〇クリニック」というキーワードでポジティブな情報を表示させるための対策を行うことで、クチコミサイトの順位を下げ、ユーザーがネガティブな情報に触れなように対策します。

これが逆SEOです。

逆SEOにより、法的な手段でクチコミの削除が難しい場合であっても誹謗中傷による被害を最小限に抑えることができるだけでなく、新たな集客に繋げることもできます。

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削除が難しいクチコミへの対応

弁護士にご依頼いただいた場合でも、全てのクチコミを削除できるわけではありません。

クチコミの内容が権利侵害に当たらないとGoogleや裁判所が判断した場合、別の対応を検討する必要があります。

返信する

弁護士荒木俊太

一つは、クチコミに「調査を行った結果、ご指摘の事実が確認できませんでした。恐れ入りますが、事実関係の確認のために当院までご連絡いただけますでしょうか?」といった返信をすることです。

このような返信をすることの効果は2つあります。

一つは、クチコミを閲覧している他のユーザーに対して、「投稿の内容は事実ではない」という病院側の主張を伝えることができる点です。

そしてもう一つは、投稿を行った本人に対する牽制です。

嫌がれせ目的でクチコミを投稿した場合、病院側からレスポンスがあるとは思っておらず、大ごとになることを避けるために削除するケースもあります。

もっとも、返信をすることで投稿者を刺激していまい、さらなる誹謗中傷に発展するリスクもあります。

弊所では、まずは削除請求を行って誹謗中傷の被害を食い止めることをお薦めしています

ポジティブなクチコミを集める

もう一つの手段は、ポジティブなクチコミを集め、ネガティブなクチコミを目立たせなくすることです。

たとえば50件のクチコミのうちポジティブなクチコミが49件、ネガティブなクチコミが1件だったとすると、ネガティブなクチコミがユーザーの目に入りづらくなります

たとえ目に入ったとしても、「これだけ良いクチコミが多いのだから、悪いクチコミは信用性が低いいたずらだろう」と判断される可能性が高いです。

誹謗中傷対策を誰に依頼するか

悩み

インターネット上の誹謗中傷を解決できると謳う業者は多くあります。

中には、弁護士以外の業者が「クチコミの削除ができる」と宣伝しているケースもあります。

しかし、弁護士以外の業者が当事者を代理して削除請求を行うことは非弁行為という違法行為に他なりません

そのような業者に削除請求を依頼すれば、違法行為に加担することになるだけでなく、クチコミの削除や誹謗中傷の解決という目的も達成できないおそれがあります。

また、法律事務所だからといってインターネット上の誹謗中傷の問題に精通しているとは限りません。

たくみ法律事務所には、インターネット上の誹謗中傷の解決に関する知識とノウハウを有する弁護士が所属しています。

また、たくみ法律事務所の代表弁護士である宮田卓弥が代表者を務める株式会社タクミには、インターネットに関する技術的な知識を有する専門スタッフが所属していますので、逆SEOにも対応が可能です。

法人・個人事業主からのご相談は相談料無料で承っております。

インターネット上の誹謗中傷でお困りの方は、たくみ法律事務所、株式会社タクミにお気軽にご相談ください。

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