「その広告の表現は大丈夫?」景表法で禁止されている優良誤認表示とは

その広告の表現は大丈夫? 景表法で禁止されている優良誤認表示とは

悩み

みなさんの会社では、法律的な観点から広告の表現内容に問題がないか確認していますか?

自社の商品・サービスをよりよく見せるために大げさな表現をしていませんでしょうか?

不当な広告を出して景品表示法(景表法)に違反してしまうと、社名が公表されて会社のイメージが傷つくだけでなく、課徴金が課され、不当な広告で得た利益を失ってしまうこともあります。

このページでは、景表法が禁止する不当な広告のうち、優良誤認表示について説明します

優良誤認表示とは

優良誤認表示は、大きく分けて2種類あります。

①実際のものよりも著しく優良であるように見せかける表示

例:中古車の広告で、実際は10万km以上走行しているにもかかわらず、「3万5千km走行」と表示

「気分爽快」などの主観的内容や、「健康になる」などの抽象的内容に関する表示をするだけでは、基本的に著しく優良とはされません。

しかし、このような表示が商品・サービスの選択において重要な判断基準となり、かつ、具体的で著しいメリットが示されたりすることで、一般消費者に実際のものよりも著しく優良であると判断される場合には、優良誤認に該当することになります。

②事実に反して競業他社の商品・サービスよりも著しく優良であるように見せかける表示

例:実際には競業他社も同じ技術を使っているにもかかわらず、「この技術は日本で当社だけ」と表示

実際の商品・サービスの内容自体は正しく表示していたとしても、競業他社の商品・サービスと比較する表示をする際に、事実に反して、競業他社にはないメリットがあるかのように見せかけていれば、優良誤認表示に該当します。

優良誤認表示と疑われると消費者庁等から資料の提出が求められる

一般消費者や競業他社から消費者庁や都道府県知事等に情報提供されるなど、あなたの会社の広告が優良誤認表示ではないかと疑われた場合、消費者庁等から資料の提出が求められます。

消費者庁等が提出を求める資料は、問題となっている表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものです。

この要求を無視して何も資料を提出しなかった場合や、資料を提出しても合理的な根拠とは認められなかった場合は、問題となっている表示が優良誤認表示とみなされてしまいます(このような制度を「不実証広告規制」といいます)。

資料が合理的な根拠と認められるための要件

提出した資料が合理的な根拠と認められるには、以下の2つの要件を満たす必要があります。

①提出した資料が客観的に実証された内容のものであること

提出した資料が客観的に実証された内容と認められるには、以下のいずれかに該当する必要があります。

  1. 試験・調査によって得られた結果であること
  2. 専門家、専門家団体または専門機関の見解や学術文献であること

試験や調査は、学術界や産業界において一般的に認められた方法であるか、関連分野の専門家の多数が認める方法であることが必要です。

また、そのような方法が存在しない場合には、社会通念や経験則に照らして妥当と認められる方法で実施する必要があります。

②表示された効果、性能と提出資料によって実証された内容が適切に対応していること

たとえば、以下のような場合には、表示と実証内容が適切に対応していないとされます。

  • 実証試験が行われた際の条件下では効果や性能が認められるが、その条件が一般的な使用条件とは異なっている
  • 効果や性能を表示をするに当たり、実証試験で得られた効果や性能よりも優れた内容を表示する

提出期限

資料の提出期限は、原則として、資料提出を求める文書が交付されてから15日以内です。

例外的に、提出期限の延長が認められることがありますが、それには期限を延長することに正当な事由があることが必要になります。

この正当な事由については、自然災害などの不可抗力によって資料提出ができない場合など、極めて限定的に運用されているようです。

そのため、いつ資料提出を求められても困らないよう、合理的な根拠となる資料については自社で保管しておくことをお勧めします。

優良誤認表示と判断されると、まずは弁明の機会が与えられます

具体的には、

  1. 予定される措置命令の内容
  2. 弁明書、証拠を提出することができる旨
  3. 弁明書、証拠の提出先、提出期限

が文書で通知されます。

会社側が提出期限内に弁明書と証拠書類等を提出すると、消費者庁や公正取引委員会等が、弁明の内容を踏まえて、措置命令を行うかどうかや措置命令の内容をどうするかについて判断します。

弁明の機会の付与が終わったら措置命令が行われる

弁明書等の提出期限内に弁明書等を提出しなかった場合や、弁明書等を提出したものの、措置命令を行うと判断された場合には、以下のような命令がされることになります。

  • 行為の差止め
  • 違法行為が再び行われることを防止するために必要な事項
  • これらの実施に関する公示
  • その他必要な事項

これまでの例では、新聞広告等での公示、再発防止策の策定、今後行う広告の提出等が命じられたりしています。

措置命令を無視しているとどうなる?

措置命令に不満があっても、無視してはいけません。

措置命令に従わない場合は、2年以下の懲役または300万円以下の罰金が科され、情状が悪ければ懲役と罰金の両方が科されることもあります。

また、措置命令に従わない会社(個人事業主も含む)に対しては、3億円以下の罰金が科されます。

措置命令に不服があるのであれば、消費者庁長官に対する審査請求や、処分取消訴訟を行うべきです。

課徴金

優良誤認表示を行った場合、措置命令だけでなく、課徴金の納付命令も行われます。

課徴金の金額は、対象商品・サービスの売上額の3%です。

2019年5月には、大手ファーストフードチェーンがテレビCMなどで、ローストビーフに実際には使っていない牛ブロック肉を使用しているかのような広告を流したとして課徴金2171万円の支払が命じられています。

また2019年3月にも、首都圏や関西地方を中心に展開する居酒屋チェーンが一部のメニューでブロイラーを使用していたにもかかわらず、地鶏を使用しているかのような表示をしたとして課徴金981万円の支払が命じられています。

さいごに

弁護士澤戸

広告では、ある程度の誇張が行われることが多いです。

しかし、その誇張の程度が社会一般で許される限度を超えてしまうと、取り締まりの対象になってしまいます。

あなたの会社が出している広告が優良誤認表示に当たるかどうか、これから出そうとしている広告が優良誤認表示に当たらないかどうかなど、広告の表示に関して疑問や気になることなどがありましたら、お気軽に弁護士までご相談ください。

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