対応が求められる2020年

迅速性

近年は実務に影響する法改正が頻繁にありますが、2020年も多くの法律が新たに施行される予定です。

今回は、2020年中に施行される改正法をまとめます。

まだ未対応の企業様はぜひご確認ください。

ここで紹介する法改正は、業種を問わずどの企業においても準備が必要となるものです。

中には対応を怠ると、これまで有効であった契約が無効になるなど、実務の運用に大きな影響が出るものもありますので、注意が必要です。

債権法(民法)―原則4月1日施行―

民法の債権関係分野において120年ぶりの全般的な見直しがなされています。

現行の民法は明治維新後の明治政府により制定されたもので、制定当時の社会・経済の情勢が今日とは大きく異なるため、条文と実務の運用が乖離している規定も多く見られました。

紙面の都合上、全ての改正を紹介することはできませんので、主要な改正点だけ取り上げます。

短期消滅時効の特例等の廃止

現行民法では、Aの債権の時効は1年、Bの債権の時効は2年、などと債権の種類によって時効期間と異なっているものがありました。

今回の改正でこのような短期消滅時効制度が廃止され、基本的に時効期間が統一されました

法定利率の引き下げ

現行民法では法定利率は年5%とされており、現在の経済状況とかけ離れたものとなっています。

そこで法定利率を3%に引き下げ、さらに今後の金利動向に合わせて変動することとなりました

保証人制度

事業用融資の保証に際して主債務者が情報提供を行う義務や、根保証制度において極度額を定めなければならないとする規律が設けられました。

定型約款

定型的な取引に用いられる定型約款に関する基本的な規律が創設されました

保証人制度

この中から、弊所の顧問先様からよくご相談いただく保証人制度について少し説明します。

「金額を確定しないままに保証を取る」などということはよくあることです。

たとえば、不動産会社が賃貸借契約を締結する際には、「借主がいくら滞納するのか?」「原状回復の際にどの程度支出するのか」などが判明しないまま、契約者の親族などが連帯保証人になります。

このような、将来に渡って行われる取引から生じる不特定多数の債務の保証を「根保証(ねほしょう)」というのですが、根保証契約を締結する際に、保証人が負担する最大額(極度額)を設定しなければ、保証契約自体が無効になるという規律が定められました。

つまり、保証契約締結の際に、単に「一切の債務を保証する。」という記載のある書面に押印をもらうだけではなく、「●●円を限度(極度額)として、一切の債務を保証する。」といった記載に変更する必要があるということです。

どのような場合に問題となる?

この保証人制度に関する改正は、医療機関で入院する際や、入社時に身元保証人を求める際にも影響する大きな問題です。

「保証をとれているから」と安心していたら無効であると主張される可能性があるということです。

働き方改革関連法(原則4月1日施行)

働き方改革関連法については従前より各種セミナーなどで情報提供がなされているため、対応済みの企業が多いと思われますが、念のためにご説明します。

中小企業においては4月1日から労働時間の上限規制がスタートします

これまで労働時間の上限について法的な規制はありませんでしたが、時間外労働の上限について、月45時間、年360時間を原則として、臨時的な特別な事情がある場合も上限が設定されました。

なお、働き方改革関連法は様々な内容の改正を含んでおり、中小企業における労働時間の上限規制の施行日は4月1日ですが、施行時期は規制により異なります。

個人情報保護法改正(詳細は未定)

2017年に改正された個人情報保護法ですが、3年が経過し、再度見直しが検討されています。

個人情報の分野に関しては、GDPR(EU一般データ保護規則)、CCPR(カリフォルニア消費者プライバイシーポリシー法)、その他インド、ブラジルなどでもプライバシー保護規制の流れが国際的に広まっており、海外進出をしていない日本国内企業でも対応が必要となるケースがあります。

そんな情勢の中、個人情報の利用停止を企業に請求できる権利の制定や、情報開示のデジタル化(書面に限定しない交付方法を認めるもの)などが予定されています。

最後に

弁護士壹岐晋大

その他にも様々な法改正が予定されていますので、今後、法改正情報について可能な限りフォローしていきたいと考えております。

法改正の内容や対応方法についてはお気軽にご相談ください。

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