はじめに

弁護士桑原・山口

最近、社長が突然亡くなってしまい会社が混乱状態にあるため、その対応をどうするべきかという相談を受けました。

人の死というものはいつ何時起こるか誰も予想ができません。

ある日突然、不幸にも会社の社長が亡くなってしまった場合、どんな問題が生じ、遺された遺族、従業員等はどう対応すればいいのでしょうか

今回は、中小企業で多くある、株主は社長のみで、社長以外に会社に精通している人があまりいないような小規模な会社を想定して解説したいと思います。

新社長の選任

相談

まずは、社長を決めましょう。

社長が突然亡くなったとしても、当然ですが会社の日々の業務は続きます。

しかし、従業員はどのように動けばいいのか、取引先への支払いはどうしたらいいのか等現場は混乱が生じることでしょう。

そこで、まずは、混乱を最小限に留めるためにも新社長を選ぶことから始めましょう。

(1)取締役会非設置会社の場合

株主総会を開き、新しい取締役を選任することになります。

株主が社長のみの、いわゆる一人会社の場合は、相続人である遺族の協力が必要になりますので、すぐに連絡を取る必要があるでしょう。

もし、相続人が相続するか否かを決め兼ねているなどの問題があり、協力を得られない場合は、裁判所が一時代表取締役を選任する制度(会社法351条2項)の利用も検討しなければならないでしょう。

(2)取締役会設置会社の場合

この場合、取締役会を招集して、代表取締役を選任する必要があります。※代表取締役を選任した場合は、商業登記も忘れずに行いましょう。

銀行等への事情説明

説明

メインバンクや取引先等日々の業務で支障が出そうなところには、早期に事情説明をしましょう。

そうすることで、銀行や取引先の担当者から会社に関する情報(亡くなった社長しか知らない情報など)を取得する場合もできます。

会社の状況を把握する上でも、銀行・取引先の情報は重要になりますので、早い段階で事情説明に行かれることをオススメします。

会社の財務状況等の把握

お金

会社の資産・負債の状況は早急に把握しましょう。

顧問税理士がいる場合はその協力を得ながら把握しましょう。

また、経理担当の従業員にも協力を要請しましょう。

会社の財務状況だけでなく、亡くなった社長個人の資産・負債状況も把握する必要があります。

特に、小規模会社の場合、代表者借入を行っている場合が多々あります。

また、帳簿上記載のない会社と亡くなった社長との金銭のやり取りがある場合もあります。

今後の会社経営にとっては非常に重要になりますので、可能な限り亡くなった社長個人の財務状況も把握しましょう。

遺族との関係

人が亡くなった場合、相続の問題が生じますが、会社の社長が亡くなった場合は以下の2点について特に注意が必要になります。

(1)株式の買取り等について

亡くなった社長が株式を保有している場合、その株式は相続人へと引き継がれることになりますが、相続人が株式を保有するつもりがない場合や会社として相続人に株式を保有されると不都合になる場合もあります。

このような場合は、株式の買取りや株式の譲渡を検討する必要があります。

(2)退職慰労金について

亡くなった社長は、死亡により役員を退任することになりますが、その場合、退任した役員に対して退職慰労金が支払われることがあります。

退職慰労金に関する規程を設けている会社もあります。

退職慰労金については、相続財産となる場合もしくは遺族固有の財産となる場合もありますが、どちらにしても支給自体を行うか否か、行うとしていくら支給するかを協議する必要があります。

最後に

弁護士山口真彦

社長が突然亡くなった場合の対応方法について解説をしましたが、実際は、会社それぞれの実情に応じてその対応は全く異なります。

困った場合は、焦らずまずは弁護士に相談されることをオススメします。

また、人間いつ何時どうなるかわかりません。

事前に弁護士と顧問契約を締結し、社内に精通している専門家がいれば、そこまで大きな混乱になることはありませんので、顧問契約を締結することを一番オススメいたします。

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