よく耳にする「裁量労働制」とはどのような制度でしょうか?

会社で働く労働者については、原則として始業、終業時刻、実労働時間等の労働時間管理が厳しく求められています。

しかし、労働者の裁量の幅が大きい専門的労働者が増加したことに対応して、昭和62年の労基法改正で、裁量労働制が初めて取り入れられました。

裁量労働制の定義

裁量労働制とは、労働時間の計算を、実際の労働時間ではなく、みなし時間によるという制度です。

量より質という考え方に基づき、実労働時間に裁量(自由)を与えるというものです。

これを導入すると、何時から何時まで働こうが、労使協定で定めたみなし時間働いたこととされます

勤務時間が決まらないということです。

(法律上は)出退勤時間も自由に自分で決めることができます。

事業場外で業務に従事した場合に労働時間が算定困難な場合に所定労働時間だけ労働したものとみなす制度として「事業場外労働のみなし制」がありますが、裁量労働制はオフィスワークでも労働時間のみなしが認められるという点が大きな違いです。

フレックスタイムとの違い

混同されやすいのはフレックスタイム制です。

フレックスタイム制は、出退勤時間を労働者の判断によって決めることができるだけで、労働時間は実際に働いた実労働時間がベースとなります。

裁量労働制では、たとえば、8時間のみなし時間を労使協定で定めた場合、6時間だけ働いて帰っても、8時間分働いたこととされます。

しかし、10時間働いても、8時間分しか働いたことになりません。

現在、裁量労働制は「専門型裁量労働制」と「企画業務型裁量労働制」の2種類が認められています。

専門型裁量労働制

専門型裁量労働制は、

  • 研究開発業務
  • 情報処理システムの分析又は設計業務
  • 記事の取材又は編集の業務
  • デザイナーの業務
  • コピーライターの業務
  • システムコンサルタントの業務

など、特定の業務に該当する場合のみ認められます。

ちなみに弁護士などの士業も対象業務になっております。

企画業務型裁量労働制

企画業務型裁量労働制は、

  • 事業運営に関する企画、立案、調査、分析の業務

について認められています。

少しわかりにくいですが、例として、経営企画を担当する部署において、経営状態・経営環境等について調査・分析を行い、経営に関する計画を策定する業務などが挙げられています。

なお、裁量労働制を導入しても、みなし労働時間が法定労働時間を超える場合は、36協定の締結・届出と時間外手当の支払いが必要となりますので注意が必要です。

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