社長が急死してしまった時の注意点と対応策

はじめに

会議

「社長が突然亡くなってしまい会社が混乱状態にあるが、どうすればよいか」というご相談をいただくことがあります。

人の死というものはいつ起こるか誰も予想ができません。

ある日突然、不幸にも会社の社長が亡くなってしまった場合、どんな問題が生じ、遺された遺族、従業員等はどう対応すればいいのでしょうか。

今回は、中小企業によくあるような、株主は社長のみで、社長以外に会社に精通している人があまりいないような会社を想定して解説したいと思います。

新社長の選任

まずは、新しい社長を決めましょう

社長が突然亡くなったとしても、当然ですが会社の日々の業務は続きます。

従業員はどのように動けばいいのか、取引先への支払いはどうしたらいいのかなど、現場で混乱が生じる可能性があります。

そこで、まずは混乱を最小限に留めるためにも新社長を選ぶことから始めましょう。

取締役会非設置会社の場合の手続

株主総会を開き、新しい取締役を選任することになります。

株主総会を開催するための手続は、会社が公開会社かどうかによって異なりますが、今回は、非公開会社の手続きについてご紹介いたします。

株主総会を招集する

まず、株主を集める必要があります。

原則として一週間前までに、株主に対して、株主総会の招集の通知をしなければなりません。

その際、招集の通知には、取締役の選任が株主総会の目的である旨の記載をする必要があります。

取締役の選任決議を行う

次に、取締役の選任を決議します。

取締役の選任は、原則として、全体の議決権の過半数を有する株主たちが出席した上で、議決権の過半数の賛成が必要になります。

なお、株主総会決議で取締役の選任した後は、2週間以内に商業登記を行うことも忘れないようにしましょう。

遺族の協力が必要な場合

株主が社長のみの、いわゆる一人会社の場合は、相続人である遺族の協力が必要になりますので、すぐに連絡を取る必要があるでしょう。

もし、相続人が相続するか否かを決め兼ねているなどの問題があり、協力を得られない場合は、裁判所が一時代表取締役を選任する制度の利用も検討しなければならないでしょう。

取締役会設置会社の場合の手続

取締役会を招集する

この場合、取締役会を招集して、代表取締役を選任する必要があります。

代表取締役を選任した場合は、商業登記も忘れずに行いましょう。

取締役会の招集は、各取締役が行うことができます。

取締役会を招集する場合は、取締役会の日の一週間前までに各取締役に対して招集の通知をする必要があります。

代表取締役の選定は、原則として、議決に参加できる取締役の過半数が出席したうえで、議決権の過半数の賛成が必要になります。

銀行などへの事情説明

メインバンクや取引先など日々の業務で支障が出そうなところには、早期に事情説明をしましょう

そうすることで、銀行や取引先の担当者から会社に関する情報(亡くなった社長しか知らない情報など)を取得する場合もあります。

会社の状況を把握する上でも、銀行・取引先の情報は重要になりますので、早い段階で事情説明に行かれることをお勧めします

会社の財務状況等の把握

会社の資産・負債の状況は早急に把握しましょう。

顧問税理士がいる場合はその協力を得ながら把握しましょう。

また、経理担当の従業員にも協力を要請しましょう。

会社の財務状況だけでなく、亡くなった社長個人の資産・負債状況も把握する必要があります。

特に、小規模会社の場合、代表者借入を行っている場合が多々あります。

また、帳簿上記載のない会社と亡くなった社長との金銭のやり取りがある場合もあります。

今後の会社経営にとっては非常に重要になりますので、可能な限り亡くなった社長個人の財務状況も把握しましょう。

遺族との関係

人が亡くなった場合、相続の問題が生じますが、会社の社長が亡くなった場合は以下の2点について特に注意が必要になります。

株式の買取り等について

亡くなった社長が株式を保有している場合、その株式は相続人へと引き継がれることになりますが、相続人が株式を保有するつもりがない場合や会社として相続人に株式を保有されると不都合になる場合もあります。

このような場合は、株式の買取りや株式の譲渡を検討する必要があります。

非公開会社の場合、株式を相続で取得した者に対して、定款の定めに従い、株式を会社に売り渡すように請求することができます。

なお、定款の定めは、事後的に設けても構いません。

手続きとしては、株主総会の特別決議が必要となります。

退職慰労金について

亡くなった社長は死亡により役員を退任することになりますが、その場合、退任した役員に対して退職慰労金が支払われることがあります。

退職慰労金とは、会社が役員に対して今までの職務の対価として与える利益です。

退職慰労金については、相続財産となる場合もしくは遺族固有の財産となる場合もありますが、どちらにしても、支給自体を行うか否か、行うとしていくら支給するかを協議する必要があります。

退職慰労金に関する内容は事前に定款で決めておくことができ、定款で決めていない場合は、株主総会を開催し決議する必要があります。

さいごに

弁護士澤戸博樹

社長が突然亡くなった場合の対応方法について解説をしましたが、実際は、会社それぞれの実情に応じてその対応は全く異なります

困った場合は、焦らずまずは弁護士に相談されることをおすすめします。

また、社内事情に精通している顧問弁護士がいれば、そこまで大きな混乱になることはありません。

「もしも」のときに備える意味でも顧問弁護士契約をご活用ください

弁護士澤戸 博樹

静岡県出身。
大学卒業後、民間企業で営業職を経験後に弁護士登録。
営業マンとしての経験を活かし、ビジネスの目線を持って敷居は低く、フットワークは軽く、依頼者のご要望に応えさせて頂きます。

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