運送業における未払残業代対策のためのポイント

電通にヤマト・・・違法残業問題に対し労働局の取締りは厳しくなっています

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電通の新入社員の女性が過労のために自殺したことは記憶に新しいですが、昨年11月7日、過重労働撲滅特別対策班などの労働基準監督官が、電通の本社などに、複数の社員に違法な長時間労働をさせていたという労働基準法違反の疑いで強制捜査に入りました。

また、ヤマトは、元セールスドライバーが業務実態を労基署へ申告したことを受けて、昨年の8月25日と12月8日の2回にわたって、労基署から是正勧告を受けています。

さらに、未払い残業代の支払いを求める労働審判も行われ、元セールスドライバー側が求めた未払い残業代の主張がほぼ認められた内容の調停が成立したと言われています。

これらの事件に限らず、平成26年1月から、悪質・重大な法令違反をした運送事業者に対する取締りや処分が厳格化しています。

今後も、これまでよりも厳格な処分が下される可能性が高いです。

福岡でも、2016年11月、「過重労働解消キャンペーン」の一環として、福岡労働局が長時間労働が疑われると判断した210の事業所に対して、立入り調査・指導が行われました。

運輸交通業では、15事業所で是正指導などが行われています。

従業員に時間外労働(残業)を適法に行わせるには・・・

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原則として、会社は、休憩時間を除いて、1週40時間、1日8時間の限度で従業員を働かせることができます。

この限度を超えて働かせた場合は、割増賃金(残業代)を支払う必要があります。(※よく「残業代」と言われますが、始業時間より前に業務を行っている場合でも、法定労働時間を超えていれば、割増賃金支払い義務があります。)

では、上記の限度を超えて働いてもらうにはどうすれば良いか。

それには、労使協定が必要になります。

1つの事業場ごとに、その事業場で働く従業員の過半数を代表する者との間で労使協定を結び、これを労働基準監督署に提出するのです。

こうすることで、労使協定で定めた労働時間の上限まで、時間外手当(残業代)の支払いもなく、適法に働いてもらえるようになるのです。

なお、労使協定とは別に、就業規則などで、従業員に対して時間外労働義務を課しておくことも必要です。

ただし、労使協定も無限定に許されるものではありません。

「トラック運転者の労働時間等の改善基準」など、拘束時間や運転時間の制限を定めたルールがあり、これを破ると、行政指導の対象になります。

委託契約にしておけば大丈夫?

契約書

運転手との間の契約を、雇用契約ではなく、委託契約にしておけば、上記の問題を解決できるのでは?

そう思われる方も多いかと思います。

その考え方は、要注意です。

契約の名前を変えただけでは意味が無いのです。

労働法の適用があるかどうかは、運転手が仕事を断れるか、会社が指揮・監督をしているか、勤務時間や勤務場所が決められているか、従業員が会社と無関係の人を使って代わりに働かせられるかなどの事情を総合的に考慮して判断されるからです。

さらに、労働法の適用がない場合でも、独占禁止法・物流特殊指定や下請法、トラック運送業における下請・荷主適正取引推進ガイドラインなどが適用されるため、委託料金が安すぎると判断されれば、適正な価格との差額の支払いを命じられるおそれがあります。

さいごに

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運送会社が従業員との間で結んでいる契約が有効なものかどうか、どこからどこまでが労働時間であり、実際にいくらの未払い残業代が発生するのかは、法的に難しい問題です。

また、荷主との間の契約が適切なものかどうかの判断も、様々な視点からの検討が必要になります。

さらに、全日本トラック協会が策定した自主行動計画では、荷待ち料金や高速道路料金などのルールを明確化する、契約書を原則100%書面化するなどの計画が立てられています。

このような法律問題に適切に対処するには、専門家へのご相談が一番です。

未払い残業代問題に限らず、従業員の労務管理や荷主との間の契約ついてご不安・ご心配がございましたら、是非一度、私たちにご相談ください。

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