自転車通勤と企業のリスク

健康志向の高まりで、自転車通勤を行う従業員の方が増えています。

ですが、自転車通勤中の従業員が加害者となる交通事故が発生した場合、従業員と企業に高額の損害賠償が請求されるリスクをご存知でしょうか。

従業員が高額賠償を求められるリスク

近年、自転車に乗っていた方が交通事故の加害者となり、高額の損害賠償が認定される裁判例がよく見られます。

たとえ自転車であっても、衝突した歩行者や他の自転車、バイク等が転倒し、重度の後遺障害や死亡という最悪の結果になれば、自動車が加害者になった場合と同様に、数千万単位の損害賠償を請求されうるのです。

例えば、自転車同士の衝突で被害者が言語障害等を残した事例では9,000万円、歩行者と衝突して被害者が死亡した事例では7,000万円の損害賠償が裁判で認められています

高額の賠償を命じる判決がくだされた場合、保険があればいいのですが、自転車に対人賠償保険を付けている方は25%程度です。

そして、所有する自動車に対人賠償保険がついていても、特約がなければ自転車の事故では使え ません

このように、自転車保険がないと、高額賠償判決に基づく所有財産や給与の差し押さえなどで、従業員には多大な負担が生じます。

そして、所有する自動車に対人賠償保険がついていても、特約がなければ自転車の事故では使え ません

2.企業が使用者責任を問われるリスク

自転車保険がなく、従業員にも賠償金支払いの資力がない場合、事故被害者の方は企業の使用者責任を最後のよりどころとして、企業に賠償請求を行うことが考えられます

裁判例では、通勤中の自転車事故で企業の使用者責任を肯定した事例が少数ですが存在します。

使用者責任が肯定されると、加害従業員と企業は連帯して全額の賠償を行わなければなりません。

また、使用者責任が最終的に否定されるにしても、企業に対して訴訟が提起されれば、訴訟費用や弁護士費用を企業が支払って対応しなければなりません。

3.対処方法

これらのリスクを低減させるには、通勤に使用する自転車に保険をつけることが最善だと思われます。

企業としては、自転車通勤を許可制にして、許可条件として自転車保険の付帯を義務付ける就業規則にするなどの具体的な対応が考えられます。

4.おわりに

従業員と企業のリスクを低減することは重要ですが、なにより、自転車保険がないために十分な補償を受けられない被害者を減らすためにも、通勤用に限らず、自転車保険の付帯を是非ご検討いただければと思います。

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弁護士櫻井 正弘
福岡県久留米市出身。 顧問企業様のニーズに応え、法的な危険を防ぎながらその利益を最大限獲得することを弁護士の役目と考え、適切なスピード感を持って経営者の悩みに応えることをモットーとしています。

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